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地質調査

地質調査にも色々なテーマがあります。
代表的な地すべり調査・解析の流れを示します。

文献・資料調査

地質調査にあたっては、まず既存の地質に関わる資料の整理と関連学会誌、学会発表論文、専門図書などを基に迅速に調査地点の最新知見の基礎データを集めます。
地形はその地域を構成している地層や岩石、地質構造に関係しながら繰り広げられた浸食履歴の結果です。地形を判読することはその地域の地質ドラマの謎解きの1つです。地形解析は地形図からその地域の地形の特徴を読み取るものと、航空・衛星写真の判読があります。

調査地点周辺の地質図

地表踏査

地質・土質の調査のベースは歩いて、見て、ハンマーを振るって地質を知ることです。
ボーリングも物理探査も試験結果もそれぞれ個々のデータです。これ等を地盤のデータにつなぎ合わせるのは地質技術者の踏査の技術力です。

踏査のまとめ

崩壊地
長さ18m、幅12m、崩壊地の深さは最大2.5m。段丘面と推定する平坦地付近に頭部が位置する。
崩壊地内部に最大径1mの杉が分布しており、崩壊は古い(数十年~100年前)と推定。

機械ボーリング

ボーリングはコアを採取して地層や岩石を直接観察するための技術です。このコアは試験の試料にも供します。また、掘削孔は検層や透水試験に利用したりします。
新しい技術がたくさん取り入れられてきていますが、地下を手探りで掘り進むのですから親方から弟子へ伝承されたノウハウがたくさんあります。当社にも沢山の職人がおります。彼らは正しい地盤のデータをお届けするために、自慢の腕でマシーンのレバーを握っています。
機械ボーリングの構成
ボーリング作業 全景

サンプリング

一般の調査では乱さない試料(乱れの少い試料)を採取する技術をサンプリング技術と呼んでいます。そのために色々なサンプラー(二重管、三重管)内管の突出タイプ、ボトムディスチャージビットなどが開発されています。
砂はサンプリングすること自体が難しく周囲を凍らせる工法がとられたりします。

主なサンプラーとその特徴

新ウォールチューブを使用するもの
サンプラーの種類
ピストンの有無と状態
適応土質
特徴
オープンドライブサンプラー
なし
N=0~4の柔らかい粘性土
試料の脱落や圧縮を生じやすい。操作は簡単である
【採取試料の状態:C】
フリーピストン式シンウォール サンプラー
自由
ピストンは下向きに固定されているが上向きには自由なので、サンプラー押込み時に試料を圧縮する事がある。
また、サンプラー降下中のピストンの移動が、確認出来ない
【採取試料の状態:B】
固定式ピストン式シンウォール サンプラー
固定
チューブ押込み時にピストンが固定され、高品質の試料が採取出来る。最も普及し、信頼度も高い
【採取試料の状態:A】
追切りサンプラー
固定
機構・性能は上記に同じであるが、サンプリング後周辺の土を追切り除去し、試料下端に生ずる真空を除去する
【採取試料の状態:A】
水圧式サンプラー
固定
サンプリングチューブを水圧で地盤に圧入する。ピストンはサンプラーヘッドに固定されている。普及度は低い
【採取試料の状態:A~B】
デニソン型サンプラー
なし
N=4~20の硬質な粘性土
二重貫式のサンプラーで、内管はオープンドライサンプラーと同じ作用をする。外管先端のクラウンより、内管が突出しており内管が地盤に貫入するに伴い、外管で周りの地盤を削り取る。硬質粘土の採取によく用いられる
【採取試料の状態:B】

サウンディング

施工位置でのデーターを得ることがベストです。その目的のためにできるだけ施工位置に近く、できるだけ同じ条件で試験することを目指してコーンを押し込んだり、サンプラーを打ちこんだり、孔壁を水平方向に押したりします。これらの工法を地盤工学会ではサウンディングと総称しています。室内試験では再現が難しい原位置の応力状態、地下水の状態や含水状態での試験であることが最大のメリットです

サウンディングの例

サウンディング名称
ボーリングの要否
得られるデータ
調査結果の主な用途
スウェーデン式

Wsw、Nsw
概略の地層構成、N値の推定、小規模建築物の地耐力
ポータブルコーン

表層地盤のqc
軟弱な粘性土地盤の層厚確認、quや粘着力の推定
オランダ式二重管コーン

qc
地層構成と硬さ、基礎の支持力と沈下検討
ベーンせん断試験

せん断強度τv
鋭敏比の把握、安定解析等での利用
孔内水平載荷試験

変形係数Eb等
地盤反力係数算定、杭の水平抵抗の検討
標準貫入試験

N値、土質試料
地盤の硬さ、地盤定数の推定、支持力や液状化判定等
簡易動的コーン

表層地盤のNd
風化層や崩積土の層厚確認、小規模建築物の地耐力

物理検層

火薬を爆発させたり、重錐を落としたりして小さい地震波(弾性波)を起こし、この弾性波の伝わり方を調べたり、電流を流して地盤中のその流れ方を調べたりして地盤の性質や構造を調べます。
一般に地表に測線を展開するものを物理探査(弾性波探査、電気探査、電磁探査、レーダー探査など)といい、ボーリング孔内を利用するものを物理検層(PS検層、電気検層、密度検層、孔径検層など)といいます。
地表の測線とボーリング孔や立坑の測線と組み合わせて3次元的に解析し表現する手法をジオトモグラフィーといいます。高密度電気探査はジオトモグラフィーの1種で当社が得意としている分野です。

原位置試験

土木現場では一般的に直接基礎設置面での支持力の確認のための平板載荷試験や、盛土の施工監理のための現場密度試験(締固め試験を行わずに締固め度を推定する)が行われます。
当社では迅速な現場対応と正確な計測・解析を行っております。

平板載荷試験の風景

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